企業内統合通信網としてのLAN(Local Area Network)は、当初の企業内での音声、文書、画像、データなどを中心とした処理から、今日のマルチメディアデータの伝送にいたるまで幅広く導入されつつある一方、パソコンやWSの高機能化にともない、LANの伝送速度の向上に対するニーズが高まっている。このため、従来フロントエンドの主流となっていた10Mb/sのイーサネットでは物足りず、最近では100Mb/sといった高速のものが登場しつつある。また、ATM技術を利用した25Mb/sのATM-LAN製品が本格化しつつある。伝送メディアとしては、従来のツイストペア線や同軸ケーブル、現在主流となりつつある光ファイバなどのほか、無線LANが最近のノートブックパソコンの普及等もあって急速に進展している。無線LANは、有線LANに比較して利用に柔軟性を持たせることができる上、大容量で信頼性の高い双方向通信が可能であるところから今後の普及が期待されている。すでに、赤外線をベースとしたものを含め無線LANの製品がベンダーから紹介されている。なお、パソコンLAN市場は、(社)日本電子工業振興協会が実施した「LAN業界動向に関する調査」によれば1996年には1兆円市場に達するとしている。